尾籠な話です。そう、トイレの話です。そして実は個人的に(というかそもそもこのBOTCHY BOTCHYはワタシが考えて作っている場所なので、すべては個人的な話でもあるワケなのですが)このトイレに関しては、屋根の下の屋根以上に思い入れとこだわりが注ぎ込まれている場所なのです。
まず、図面を引いてくれた建築士はもちろん、そのまえに話を聞いたり、その後に図面を見たほぼすべての人に言われました。こんな小さい店に、なんでトイレがふたつもいるんだ? もったいないよ。ひとつで十分だよ。トイレに凝りたいなら、少し広くしてゆったり作るのもいいけど、ふたつはいらないよ。
確かに飲食店を開業するマニュアル本読んでも、こんなサイズの店はトイレ一個で十分、ホントはトイレがいらなければあと4席、客席を増やせるのに、ってな感じです。でも、いいえ、絶対トイレの個室はふたつ要る。そうワタシは言い続けました。だって女性のみなさん、専用トイレ、欲しいでしょ? ドア開けて、フタも便座も跳ね上がって、ちょっと、あるいはもっと汚れている便器や床を見ると、ゲンナリしませんか?
ワタシは男ですが、それでもゲンナリしちゃいます。だから、女性をゲンナリさせないためにも、女性専用の個室は、なんとしても実現したかったのです。
そして実は男にとっても、女性専用トイレは欲しいのです。というのもひとつしかないトイレに女性が並んでしまうと、もう行きようがなくなってしまうからです。
たとえばライブハウスでも、都内の小規模なハウスの多くは、トイレがひとつしかありません。そしてライブだと、男女の区別なく、多くの人が休憩タイムまでトイレをガマンしているわけです。だから当然、セットとセットの間には、トイレは混雑します。ドアの表示が赤いのを見て、ああ、誰か入ってるな。でまあ、そのときはガマンしたとしても、終演後は、店を出たら駅まで歩いて電車に乗って家へ帰るわけですから、こんどはガマンするわけにはいきません。でも、女性が並んでいるのを横目に、駅までガマンするか、なんてことになっちゃうわけです。
というわけで、トイレはふたつ作っています。しかも現場でカントクに図面書いてもらっちゃってるように、個室内にも手洗いを付けることになったので、メインの洗面所(?)がふさがってても安心です。ホントはトイレみっつ作ろうとしたんですが、それはさすがに場所が足りなくてあきらめました。また、トイレに行くことそのものを隠したい女性もいるということで、トイレの入り口そのものを分けちゃうプランも考えましたが、それもやはりスペースが取れませんでした。そんなわけで、女性のみなさん、入り口で男性と鉢合わせしたら、それはゴメンナサイ。